コーヒー焙煎について

コーヒーの焙煎については、各店舗独自の焙煎製法を確立し、自店なりのオリジナル焙煎を行なっております。

(一部のお店では、焙煎講習で教わったまま市販の焙煎機で行なっている処もありますが・・・)

コーヒー焙煎とは・・


タンパク質が分解されたアミノ酸と、還元糖類との反応(メイラード反応)と糖類を加熱するとカラメルを

生じる反応がコーヒー焙煎の重要な部分を担います。


おいしい珈琲は、この反応過程で生成されるんですね。

 

メイラード反応とは、褐色物質(メラノイジン)を生成する褐変反応、アミノカルボニル反応の一種です。

メイラード反応の過程で、アスパラギンとブドウ糖の反応により、アクリルアミドが形成されます。

 

これが神経毒や発ガン性をもつ疑いがあるため、「コーヒーを飲み過ぎるとガンになる」と言われた要因です。

*現在の研究及びメタ解析では、アクリルアミドを含む食品がガンを誘発するという根拠はありません。


このメイラード反応により、生豆(緑・黄)から、茶色、焦げ茶色、黒と変化、その”色”と焙煎時の”音”

を目安に排出タイミングを決めます。

これが、ロースター(焙煎士)の腕の見せ所ですね。

 

焙煎釜から排出した珈琲豆は200℃度以上の熱を持っていますので、焙煎は、窯から排出しても進行して行きます。反応が進みすぎないように(焙煎度が変化しない様に)、急冷させる必要があります。

*焙煎士は、冷える過程も考慮して、排出タイミングを決めています。


1ハゼまでの過程


コーヒー豆を焙煎機に入れると、150度近辺で「蒸らし」という”水抜き”をします。
この時間を加減して、生豆の状態を整えてやります。

つまり、たくさん水分を含んでいる豆なら、蒸らしを長くとって芯まで熱を入れる。


逆に乾燥しているなら早めに煎り上げるなど、さらに加熱を続けると淡緑色だったコーヒー豆が

茶色へと変化し、180度前後で化学反応により急激にガスが発生して、その圧力で豆が膨らみます。


突然「パチッ」という音とともに豆がはじける。
これがいわゆる1ハゼです。この1ハゼにより豆は大きく膨らみます。

この「パチッ」で、最後まで残留した水分が抜け切ると言った感じですね。


1ハゼの時に、チャフというコーヒー豆の薄皮(シルバースキンのこと)が剥がれ落ちます。

サイクロンという装置で吸い取られ、煙とチャフに分離・排気されます。


ここまでが、1ハゼまでの過程です。


2ハゼまでの過程


1ハゼから2ハゼまでに、ゆっくり仕上げる場合は、火力を下げます。

豆にもよりますが、ロースト(焙煎度)でHigh Roastで煎り止めする場合は、タイミングを

決める重要な過程です。


火力を上げたままCity Roastまで持って行く事で、豆の酸味を極力Keepした状態で仕上げられますので

City Roast以上で仕上げる場合は、豆の特性を見ながら、火力を決定します。


さらにしばらくすると、「ピチピチ」という少し小さな音がします。
これが、2ハゼです。

 

2ハゼでも豆は大きくなりますが、1ハゼほどの大きな変化はありません。

1ハゼと2ハゼの音の違いを文字で表すのは難しいですが、「パチパチ」と「ピチピチ」ですかね。


この2ハゼは、コーヒー細胞の内部の構造が壊れる(分離する)音で、化学反応が起こり、
さらに加熱すると内部のアロマオイルが滲み出ます。


 油が、出きった時が、炭の状態という事です。

炭(炭素=C)の状態では、豆の成分が台無しです。


この時の苦味は、豆から出たアロマオイルが豆表面にコーティングされ、こびり付いた状態になる為、

非常に苦くなります。(炭火コーヒーと同じ香ばしい苦み)


い苦みと聞くと悪い気がしませんが、炭の苦さは、後味(余韻)で引き吊ります。

また、胃炎・胃潰瘍などは、胃酸の分泌を促す為、避けた方が良いです。

(慢性胃潰瘍を卒業した、マイヨ店主の実体験なので間違いないです。)


マイヨ工房の焙煎技法

では、超極秘(書いている時点で極秘ではない)マイヨ工房の焙煎は、


①投入温度(豆・気温で異なる)

②蒸らし時間・温度(生豆の状態を確認して、豆の肌を見ながら決定)

③1ハゼまでの温度(蒸らし終了次第急加熱)*火力制御:焙煎機改造

④1ハゼに入ったら、排気全開

⑤1ハゼ状況で火力を落とす。

⑥High Roastの場合は、この温度制御で、豆キャラクターと実際の豆肌を見ながら、排出タイミングを決定。

⑦2ハゼまでは、スプーンで豆肌を見守る。

⑧排出タイミングは、音で判断する。

⑨排出後は速やかに豆を急冷する。


残念ながら、各温度・時間は開示出来ませんが、焙煎中は豆の気持ちになって、頃合いの良い状態で

常に出来上がりを一定にしております。


単に、”豆を煎って販売”する店ではなく、最良の焙煎珈琲を目指しています。


”1㎏焙煎機だから出来る技”もあります。

もし、マイヨ工房が、需要が増えて1㎏焙煎機では立ち行かなくなったら、私は迷わず、

もう一台1㎏焙煎機を入れるでしょう。


現時点で、現在の焙煎がBestと考えているからの答えなのです。


良く聞かれるので参考までに・・

ちなみに、生豆を購入してその場で焙煎して貰えるオンデマンド焙煎。

マイヨ工房以外のオンデマンドのお店では、熱風式焙煎(5-8分)が主流です。

 

こちらの方式の場合、焙煎した日が飲み頃のピークです。

高温熱風の為、(******{他店の諸事情により割愛})により、その日が味覚・風味のピークなので、

直火・半熱風式よりも味覚・風味が早く劣化してしまいます。

その為、少量購入し、早めに消費するのがお薦めです。

 

いつも、購入している豆が、どんな焙煎で行われているか調べてみる? 

これも、楽しみの一つではないでしょうか?