私も昔、コーヒーにのめり込むまでは、とにかく「苦いコーヒー」が好きでした。
その理由は、「酸っぱくない」から・・・。
昭和の時代に日本の家庭で飲めるコーヒーと言えば、インスタントコーヒーか、いつ焙煎したのか分からない賞味期限が1-2年のレギュラーコーヒー。あとはあま~ぃ缶コーヒーが主流でしたね。
これらの味の特徴は、「いつまでも口の中に残る酸味」。
これで、コーヒーの酸味が嫌いになり、お好みは?と聞かれると「苦いの」と答える様になり、
いつも単調な「苦いコーヒー」を飲んで満足していた様な気がします。
例えば、炭火コーヒーやエスプレッソWなど・・。(この当時、慢性胃潰瘍でした)
現在では、以前好んで飲んでいた「苦い(だけの)コーヒー」は苦手です。
何故なら、本当の意味の「コーヒーの味」を知ってしまったからなのです。
例えば、毎日朝飲んでいるコーヒー。
いつもと味が違うと思う事や、スッキリ飲み乾す時・一口で終わる時などあると思います。
今日は、「おいしい」「おいしくない」は、貴方の体が決めているのですね。
コーヒーの味が変わったというのは、全く異なる珈琲を飲んだ時だけですから・・・。
ここからは、人が感じる「味覚」について説明致します。
珈琲の嗜好(好み)は十人十色。異なります。
自分に合った珈琲を探すのは、自分だけでは意外と難しいかもしれません。
また飲用を続けるうちに、好みが徐々に変わる事もしばしあります。
それでは、体が感じる珈琲の味を説明して行きます。
①体の変化
体調により、飲みたいと思う味や香りは少し変わってきます。
目覚めの朝は、あっさりとしてほのかに酸味のある珈琲を欲しがります。ラオスアラビカ アゾテア農園 など
夕食の後では、少しコッテリとした深みのある珈琲を欲しがります。ファンシーサンタロッサ トラジャ など
②季節の変化
寒い真冬は、コクのある深煎り傾向の珈琲を体が求めます。 ケニアAA トラジャ サンタロッサ など
過ごしやすい春や秋は、すっきりとした珈琲を好みます。 マタリNo-9 シダモG2 ラオス など
そして暑い夏は、酸味が”キレ”と解釈される為、苦味好きの方でも酸味系の珈琲を求めます。
この様に、それぞれ微妙に嗜好も変化して行きます。
珈琲 自身の季節変化(生豆)の品質にも変化があるので、味・香りが時期により異なることがあります。
実は、大手のブレンドは、年間を通して少しブレンド比や、原産国を変化させています。
セブンイレブンのコーヒーが、昨年 何回味が変わったか? 知っていたらグルメ舌の持ち主です。
③コーヒーの温度変化
コーヒーの温度は舌で感じる味覚に影響します。
温度の高い時に感じる珈琲の味は”苦味が優先されます。
それは、舌で”苦味”を感じる時に、舌は、”痛み”として取り込み脳に送りこむ時に
苦味に変換して伝えます。
熱いも”痛み”として情報を送り込むのですが、熱い+苦い= 苦い となる為、
珈琲は、熱い時の苦味が強く感じてしまっているのです。
よく、”冷めると酸味が出る”と表現されていますが、実は、熱さの”痛み”が苦みと誤解しているだけで
酸味は最初から存在していたのです。
65℃くらいが、コーヒー本来の味が一番分かります。
アメリカのマクドナルドのコーヒーの温度は55℃なので、温度低下によるコーヒーの味変化は
少ないのかも知れません。(新鮮なコーヒーであれば・・・)
④舌が感じる味
★酸味
酸味は、柔らかでフルーティーであればコーヒーを引き立てます。
が、刺激的な酸味になると刺激として感じます。
山梨県では、「とにかく苦いコーヒーが良い」「酸味は苦手」と良く聞きます。
コーヒー飲用が習慣化すると、より苦味が強くてコクの有る珈琲が、欲しくなるらしいです。
また、渋み=酸味と勘違いしておられる方も中にはいる様です。
ジククロロゲン酸は、メタリックな味、不快な渋味の原因となり、未成熟豆に多く含まれています。
また、「チャフ(シルバースキン)」というコーヒーを砕いた時に出てくる薄皮。これも、渋みの原因です。
焙煎してからの保存方法が雑であったり長い期間を経過していますと、渋味とは異なる酸敗したような酸っぱい味がします。
これを、腐敗臭酸と私が勝手に呼んでいる酸味は、確かに存在しますが、焙煎仕立ての珈琲では感じられない
酸味ですのでコーヒーの「鮮度」を意識して飲まれることをお薦め致します。
★苦味
コーヒーは苦いものですが、苦みも色々あります。
珈琲の苦さは大多数の方が好まれるようです。
何故なら、苦い飲み物と言えば、「コーヒー」と答えるほど苦いが認識されているからです。
苦味が嫌な方は、最初からコーヒーを敬遠されますが、本当にそうでしょうか?
苦いコーヒーが苦手な方の中には、焦げ臭い。いわゆる炭素(元素記号:C)を舌で感じるのが嫌。
または、舌に苦味が残るのが嫌。
と、コーヒー本来の苦味を知らず嫌いになっている方も多い様です。
また、コーヒー豆にもよりますが、FrenchやItarianなど過剰な焙煎により、苦味が増長し、コーヒー豆本来の味を打ち消してしまっている珈琲もあります。
それでも、苦味が好きの方には、たまらない”風味”となっているのかも知れませんね。
★甘味
実は珈琲焙煎の技術(技量)で一番引き出すのが難しいとされている味覚が甘味です。
砂糖やミルクを入れないでコーヒーに甘味があるの?
⇒答えは”あります。”
コーヒーは、穀物です。
美味しいご飯を食べた時に”甘い”と感じた事がありますよね!
生豆には、糖質(ショ糖)・脂質など他の穀物に含まれる成分は微量ながら含まれています。
焙煎及び鮮度が適切であれば、飲んだ時に甘味を感じると思います。
甘味はほとんどの方が好まれますが、苦味や酸味に隠れて目立ちにくいのが事実です。
コーヒーに甘味を感じたい人は、マイヨ工房へGo!(笑)
ちなみに、コーヒー生豆に含まれる脂質は、日照量、標高、土壌、肥料などの栽培条件がいいほど
高い数字がでており、高品質と評価されるものに高い傾向があります。
★コク
コクはある程度あった方がコーヒーを美味しく感じられます。
濃度・濃さ・・と似たようなものと考えられがちですが、やや異なるのではと思います。
コクがないと味が単調になり、広がりというか奥深さが生まれません。
まろやかさや芳醇といった感じを与えるには不可欠の要素ではないでしょうかねぇ。
これも、くどいコクになりますと反って逆効果となります。
その場合、コーヒー豆を挽く粗さを調整してみてください。
同じコーヒー豆でも簡単にコクを変化させる事が自分でもできますので。
粗い=あっさり 細かい=濃い・コクが出やすい(但し、えぐみも出やすいのでほどほどに)
★香り
焙煎したての新鮮なコーヒー豆であるならば程度の差こそあれ、どの銘柄も色々な香りを持っています。
浅煎りではフルーツの様な、花のような香りを感じる事が出来ます。
中煎り~中深煎りでは甘味を持った香りを感じます。
深煎りでは重厚で香ばしい香りを感じます。
・・・といった具合に、さまざまな香りを人は感じる事ができますので、色々な香りで楽しむ事が出来ます。
また、口の中に広がる香りは”味”として感じる事が出来ます。
香辛料などは、辛さの中に独特の香りがあり、口の中で感じる味として捉えらえます。
香りは、味覚の最重要ポイントかも知れませんね。
最後に・・
コーヒー内に含まれる成分は、1000種類以上、香り(フェロモン)は、300種以上と言われております。
それを考えると、世の中で売られているコーヒーで全く同じ「味」「香り」のものは皆無に等しい。
コーヒーとは、まさに”一期一会”なのです。
自分好みのコーヒーとは、あるグループの方向性を指しております。
本当に自分が好きなコーヒーとは・・・・・。
以外にも、全く別のものかも知れませんね!
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