コーヒードリップの抽出時に、最初に抽出されていくのが「酸味」「甘み」の成分です。
そして抽出の中盤から後半にかけて「苦味」の成分が抽出されていきます。
抽出が早く終わるほど苦味の成分は抽出されず、酸味を中心とした味覚のコーヒーが抽出されます。
逆に時間を極端にかけて抽出すると「酸味」「甘み」を隠した「苦味・エグみ」という雑味中心の
味覚に仕上がるというコントロールが可能になります。
ペーパードリップは、
目的の湯量に達したらドリッパー内にお湯が残っていても、落としきらずにはずします。
これにより、雑味が無くスッキリしたコーヒーが楽しめます!!
ドリップという抽出方法は、
「おいしいトコロをカップに注いで、不味いところはドリッパーに置いていく」
という考え方を基本にしています。
これは珈琲豆をお湯に浸したときに、どういうものが出てくるか?
という事に深く関係しています。
ちなみに、この方法を探求したドリップ方法が、松屋式という抽出方法です。
大雑把に言ってしまうと、4杯分のコーヒー豆を入れて、2杯分の抽出を行なう。
その後、2杯分のお湯を足して4杯のコーヒーが出来上がり。
と言った手法です。
実はこの方法、体にも良いんですと。
(東京薬科大学名誉教授 薬学博士 岡 希太郎氏:珈琲一杯の元気より)
コーヒーには沢山の成分が含まれます。
旨味、苦み、甘み、酸味、渋み、えぐみ、雑味として説明致します。
これらは水への「成分の溶けやすさ」に差があります。
まず甘み、旨味はコーヒー豆から溶け出しやすい性質があるようです。
ドリップの前半は、旨みや甘み・酸味が凝縮されて出てくるのです。
ドリップの後半は、比較的溶けにくいコーヒーの雑味成分である、渋み・えぐみが溶け出します。
過抽出。つまり、一カ所にお湯を過剰に注いでしまうのが、
”まずいコーヒー”の元となると言われるのは、この為だと思われます。
適切な量の粉を使ってても、まんべんなくお湯があたらなければ、
部分的に粉が多すぎたり少なすぎたりと言った状態が起こってしまいます。
また、注ぐ温度が85℃を切っしまうと、明らかに香り(アロマ)が弱くなると感じます。
理想は、93-95℃。
しかし、沸騰直後の湯では、抽出が加速してしまい、一定のドリップで味をコントロールするのは
困難で、「苦味の強いコーヒー」が出来上がります。
上記のようなコントロールや方法を組み合わせて、豆も色々な種類を試しても理論通りにいかないのが
コーヒーでありハンドドリップの面白さでもあります。
ハンドドリップの味で、自分の体調を知ることも、出来るかもしれませんね。
コーヒーの粉をマクロ的視点で覗くと、
下図の様なハニカム構造(蜂の巣構造)をもっています。
コーヒー豆一個分のハニカム構造面を広げた場合、テニスコート一面の面積に相当します。
この粉にお湯が当たると急に表面積が増えますので、気化(液体が気体に変わる事)します。
お湯が粉に吸い込まれて水蒸気となることで、粉が膨らみます。
このとき、湯温・湯量が適切ならば、粉の間で蒸気を融通し合うので、全体にお湯が回ります。
この蒸気がハニカム構造の中に付着しているアロマオイルをとらえ、そこにさらにお湯を
通すことで、コーヒーの風味成分を抽出することができ、薫り高いコーヒーになります。
蒸らしのお湯が多すぎる場合、粉に余計な圧力が加わり、うまく膨らみません。
(珈琲の飲用温度も低下)
また、蒸らしの時にもこもこ粉が盛り上がってくるのは、お湯の温度で珈琲豆に含まれる
炭酸ガスが揮発し、豆の間に放出される為です。
この現象は、コーヒー豆が新鮮な証拠です。
お湯の温度によっても多少ふくらみ具合は異なります。
(熱ければ、より早く・多くガスが放出される為、膨らみます)
また、膨らんで泡ができることによって、粉がお湯を保つ時間が変わってきます。
粉の間に隙間が出来てしまうので・・・。
ここが、新鮮なコーヒーをドリップする難しさです。
実際の抽出時の注意点は、「お湯を珈琲に乗せる」様にドリップする事。
ジャバジャバと湯を入れてしまうと、コーヒー豆が、ドリッパーの中でグルグルと対流し
暴れます。
すると、「渋み」や「えぐみ」などの雑味が抽出されてしまいますので、
結果:不味い珈琲になってします。*粉を動かさないのがポイントです。
専用の細口ケトルを使用するのは、粉を動かさずゆっくりと入れる事が出来るのと、
沸騰したお湯をケトルに移すと、93-95℃に瞬時に下がる為、待たずにドリップできるからです。
ちなみに写真のような泡が少ないと速くお湯が通ってしまいますので、メッシュ(豆の挽き方)の荒さや粉の量を調節してみると良いと思います。
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コーヒーメーカー及びハンドドリップの際に覚えていれば美味しい自分好みのコーヒーが
淹れられますよ!
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